おいしいコーヒーのためのスクワット

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三年前に脳梗塞を発症して左半身麻痺になりました。

幸運だったと思うのは痛みがないこと、利き手の右半身が健側だったこと、発症に気付いたのが早かったことなどです。

それでも退院までに書いたノートには幸運だけではなかった気持ちが残っています。

 

ーーーもはや 働かない。おいしく食べることもない。

                      楽しまない。着飾ることもない。

                      創らない。歌わない。

                      親しい人に自らは近づかない。

                      ほとんど眠っている。

                      死なないから生きている。

 

ーーー「出来たらいいな」と思う事。

             ベッドで一人で起き上がれたらいいな

             トイレで一人でパンツの上げ下ろしができたらいいな

             一人で歯磨き、洗面ができたらいいな

             一人でお風呂に入れたらいいな

 

「出来たらいいな」はすべて出来るようになって、三ヶ月後に退院しました。

脳梗塞の後遺症の回復は、発症後の半年間でほぼ止まるといわれています。

私は既に3年経過しているのでもうこれ以上の回復はないかもしれません。が、

毎日結構楽しいのです。もう少しなんとかなりそうな気もします。病気のおかげでできた友達もいます。

週2日のデイケアサービスに加えて、3ヶ月前から通所リハビリテーションにも行き始めました。

そこでは個別の指導の後、帰る前にみんなで並んで歌いながら同じ運動をします。いつもストレッチとバランスボードとスクワットです。

たとえばスクワットは30回を3セット、間に短かい休憩を2回挟んで3回。合計して270回やります、と簡単に言いますが元気な健常者の話ではありません。上は90歳を過ぎた人から認知症の人、病気で麻痺などが残った人など、10人くらいがやっています。

 私はスクワットはなぜ270回なのか1日に300回ならキリがいいのにと考えて、家で残りの30回をしようと思いました。ーーーん、ところがひとりではなかなかやらないんですよ、これが。歌も歌わないしーーーね。

 

話は逸れますが、私はペーパーフィルターでコーヒーを淹れるのが得意です。デイケアではみんなが美味しいと言ってくれます。コツは簡単で最初に少しだけお湯を注いで豆を蒸らすのです。この蒸らし時間が難しい。つい面倒になって短かかったり、うっかり忘れて冷えさせたりします。

 ここで30回のスクワットの登場です。蒸らしているコーヒー豆の側でこれをやるのがベスト!

1日300回のスクワット完遂、おいしいコーヒーも飲めるーーーというわけです。