MeToo
セクハラ関連のニュースが後を絶ちません。
財務省で「MeToo」の抗議プラカードを持った野党議員を見て、「セクハラとは縁がなさそうな面々だが」みたいなことを言った議員がいましたが、あれはどういう意味で言ったのでしょう? まさか女性議員たちがブスだとか、ババァだとか、そんな失礼なことを含ませているのではないでしょうね?
なぜならセクハラの被害を受けるのは、若さとか美醜とかとは全く関係がないからです。
世の遅れている男性は驚くかもしれませんが、例えば平均年齢80歳を超えていそうなデイケアサービスの施設の中でも、
「セクハラはあります」(「スタップ細胞はあります」風にきっぱりと)
男性(ここでは爺さん)が女性(ここでは婆さん)にちょっかいを出してからかう、囃す、触る(腕や背中ですが)という事は日常茶飯事です。
けれども半世紀以上セクハラに耐えてきた女性達にはもはや、ハエがとまったかその羽音くらいにしか感じていません。
が、腹立たしいのは、いみじくもジジイどもが放った次の言葉です。
「彼女も案外喜んでるよ」
この馬鹿げた大いなる勘違いこそが、セクハラを生む大きな原因であると思います!
---と、腹を立てている私は、セクハラの被害にはあっていません。なぜなら気を使う取引先とか上司とか、ご機嫌を取りたいと忖度する事項も無いので、その場で即、加害者をやっつけるから。
あゝ、一人例外の人物がいました。
Sさん
彼が入浴に向かう時に出くわすと、「一緒に入ろ」と 車椅子の上から手招きします。
それからウォーキングマシンを使っていると、自分もやりたいと駄々をこねて職員を散々困らせてから、「歩けるようになったら、一緒に庭を散歩したいねぇ」と誘ってきます。
彼が乗った車椅子とすれ違う時は、お触りに来るのでこちらも杖で防護します。
デイケア施設の全ての女性に分け隔て無く、そんな風にして回るので有名でした。
ところがそれも徐々に少なくなり、なんだか少し痩せたみみたい。そういえば最近姿を見てないと思ったら、先月亡くなられたそうです。
今頃は花が咲き乱れる天国の庭を、やさしい天女さまと手をつないで散歩しているかしら。
そういえばSさんは、私がやっつけていない数少ない男性です。セクハラには断固立ち向かう私も、彼の悪戯っ子のような、無邪気げなニコニコ顔に騙されていたのかもしれません。
Sさんのご冥福をお祈り申し上げます。
合掌