ねこのねごと

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「猫を飼ってみたら?」と勧めてくれたのは、

脳梗塞の後遺症で入院していたリハビリ病院の療法士の先生でした。

実は脳梗塞を発症する1ヶ月ほど前に、一緒に暮らしていた猫を亡くしたばかりで、

そのときの悲しさからもう猫は飼うまいと決意したつもりでした。

ところが(もう一度飼ってみようか)という思いが芽生えてしまうと、もうダメです。小さい芽はどんどん成長して、心の中を覆い尽くすほどになってしまいました。

それで息子に頼みました。

「ねぇ、ネコ飼っていい?」

「ダメ! 半身麻痺の人が世話できないでしょ」と、息子。

「でもかえってリハビリになるかもしれない。ねっ、お願い」

(あっ、これって---息子が小学生の頃よく交わした会話だ! 立場は逆で---)

こうして息子を拝み倒し、ようやく(半分は焦らされて)OKを貰ってから、前のねこがお世話になった動物病院に電話をしました。

「保護ねこが一匹だけ残ってます。ちょっと大きくなってしまって、七ヶ月の子ですが」

これがphooでした。

上の画像の右に座っているお兄ちゃんねこです。怖がり屋で隠れてしまうので、最後まで残ってしまったとか。写っているのは、甘えん坊の弟を守っている凛々しいお兄ちゃんに見えますけど---。

息子が動物病院から連れてきてキャリーバッグから出した時、あっと思う間もなく走り出てきて私のベッドの下に隠れてしまいました。それから一週間、私が見たのはベッドの下の暗闇で光っている目だけ。置いておいたご飯と水も3日ぐらいからいつの間にか無くなるだけで、姿は見えず。

それが今では危ないくらい足にまとわりつくし、毎晩ベッドの上に上がってきて、私の顔のそばで寝ています。

そうそう、寝言のことでした。

春の季語に「猫の恋」があるくらい、春の夜はあちこちで猫の鳴き声が騒がしくなります。

でもうちのphooは知らん顔。だって保護された時に素早く去勢されてますから。

2,3日前の、ことのほか外の鳴き声が騒がしく、さすがのphooもじっと窓の外を眺めていた夜のことです。

「ニャーーーーーン」

私の耳元でphooが寝言を言ったのでした。でもその鳴き方は恋の言葉というより、

子供の頃に遊んだ弟の夢を見ていたように聞こえました。

 

昨日phooを動物病院に連れて行きました。

トイレに入るとなかなか出てこないし、回数が多い割には猫砂が汚れていません。結石にしては痛がらないし、便秘くらいかもしれないけれど、とにかく診てもらいに行ったのです。

なにしろ小さい頃からの怖がり屋さん。キャリーバッグにも入らないので大変でした。お兄ちゃん(息子)は引っ掻かれて血だらけ。聞いたこともなかった野太い声で鳴くので、タクシーの運転手さんには謝り通し。

でもそんなにしてでも連れて行って正解でした。

『ストルバイト尿石症』という病気で、もし気付くのが遅くておしっこが出なくなってから行っていたら、2日くらいで亡くなるときもあるとか。

ああ、間に合ってよかった!

もしかしたらphooは寝言で私に訴えていたのかもしれません。

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