ガキの使いやねん

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今年の初めに目標を二つ掲げました。

ひとつは、今年こそ貯金します!

ふたつ目は、自分で買い物に出かけます!

貯金と買い物…一見矛盾しているようですが、実は深い理由があるのです。それは…

 

私は3年余り前に発症した脳梗塞の後遺症で、左半身麻痺の身体障害者となりました。脳梗塞の病院からリハビリの病院に移った時、運動着にするトレーナーを2着ほど買ってきて欲しいと息子に頼みました。

思えばこれが、自分で買いに行かなかった最初の品物です。受取ったトレーナーが私の趣味に合わなかった訳ではありませんし色も良かったんですが、運動着としては失敗でした。なぜか裾に切り替えがあって、後ろが短いのです。リハビリ運動や施術の時に後ろが短いと、パンツが出ないかい?

その後、娘が買ってきてくれる物には何の不都合も感じたことが無いので、やっぱり男には買い物を頼まない方がいいと、その時思いました。

しかし退院して息子と暮らす家に帰ると、不自由な足で買い物には出かけられなくなっていました。一番近いコンビニに300歩、スーパーまでは500歩余りなのに。

そこでほとんどの買い物をインターネットに頼るようになりました。ネットスーパーから食料品や生活雑貨が届きます。重いお米や飲料水も玄関まで運んでもらえます。衣料品は分厚いカタログから選びます。電化製品もペットのオモチャも、クスリや介護用品も、何でもかんでも揃っています。

が、これがネットの危険な罠でもあるのです。奴等は無防備な消費者を絶えず見張っていて、これを買った人間なら次はこれを、これを検索した輩ならこれはどうだと攻撃してきました。テレビで観た遺骨散布について検索したら、永代納骨堂の案内までメールしてきましたよ。

ネットサーフィンして暇つぶしをしているうちに、ついつい何か買ってしまうー私は狙われ易い愚か者です。さすがに永代納骨堂は頼んでませんが、脳梗塞のホームリハビリ用DVDや電動風呂洗い機、等々は後悔していることを白状します。そして今年はネットの買い物をやめて貯金しようと決意しました。

しかしそれには、自分で買い物に出かけなければなりません。今迄のようにちょっとしたものを息子に頼む事もやめようと思います。

以前 息子に風邪薬を頼んだら、「◯◯を」と見本まで見せたのに、聞いた事もないメーカーの薬を買ってきました。薬屋がこっちの方がいいと言ったとか。◯◯よりこっちの方が、儲けが多いのとちゃうんかい?

またある時、台所のゴミネットを頼みました。わざわざ「ストッキングタイプを」と言ったのに、買ってきたのは不織布タイプでした。「ストッキングは50枚182円だったけど、こっちは99円だった」とか。83円をけちって、ナンボのもんじゃ。

が、母はいつも笑顔で礼を言うだけです。へそを曲げられて、もう頼めなくなると困るから。

そういえば、デイサービスで友達になったMさんの経験談を思い出しました。彼女はご主人に、コーンの缶詰をたのんだそうです。「クリームのじゃなくてホールの。粒のを」と念を押しました。さて、ご主人は何を買ってきたでしょう?

皮をむいて塩茹でしたトウモロコシの真空パック、見たことあるでしょ? アレです。売り場の店員さんが教えたとかで。

かくして買い物に行けない二人の主婦が達した結論は、男はガキの使いやねん。頑張ってリハビリして、自分で買い物に行けるようにならなあかん、と。

これは男たちの大いなるリハビリ向上計画なのでしょうか?