お正月。何がめでたい

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今年も残りわずかとなりました。で、何か?

今日も予定通りリハビリに行って来ましたが、仲間の通所者さん達もいつも通りで、帰る時には形ばかりに「良いお年を!」と言い合ってから「また来週ね!」と別れました。

お正月といっても、デイサービスやリハビリに通う高齢者にはたいして嬉しくも悲しくもないのです。

たとえば大抵の高齢者や身障者は、転んで骨折なんかしたら大変と、人混みの中をわざわざ初詣なんかには行きません。

またある人は、普段はオレオレ詐欺の方がマシというほど電話もしてこない息子が、孫やら曽孫を連れてやって来れば、わずかな年金と減り続ける蓄えの中からお年玉を拠出しなければならないとため息をついていました。

デイサービスの施設内だけで通用する紙幣を印刷して、認知症防止のための計算をさせていますが、「あの紙幣をお年玉だと孫にやったら、昔は喜んでたのになー」と嘆いていた人がいました。(孫も可愛いのは小さい内だけ)

いつもは家族と暮らしている人も、たまには介護を忘れたいと旅行に出かけるみんなを見送って、ショートステイに送られます。

若い頃はみんなの為にと腕をふるったおせち料理も、今は通販で発泡スチロールのお重に詰めて届きます。

テレビをつけると、一年間退屈しのぎに飽きるほど見ていた話題が、順位をつけてまたぶり返される番組ばかり。

それに最近のお笑い番組では、若い人たちとの感覚の違いか、どこが面白いのかさっぱりわからない。

まあざっとこんな風です。 

私の子供の頃のお正月は楽しかった。

着物を着せてもらって家族で近くの護国神社へお参りし、お祖母ちやんや親戚のおじさんたちにお年玉を貰って、姉や従姉妹たちと羽子板をついたり、こたつに入ってトランプをしたり……。

それがだんだん変わってきたのは、結婚してからかな。

嫁ぎ先が自営業で手伝わされていましたから、年末は大掃除が大変でした。3階建ての1階が店舗で、住居の2階にも3階にもトイレがあって、この建物、殆ど私が掃除してました。夫はお飾りをかけて窓拭きと庭掃除。一夜明けてお正月には2人の義妹一家がやって来て、大晦日に作ったおせち料理を2家族で食べ散らかし、私は酒の燗係。2日目になってようやく実家へ帰れても、跡継ぎの姉に「あの子は手伝いもせずに朝寝して…」と言われてのんびりできません。母は「帰った時くらいのんびりしたらええよ」と言ってくれましたが、姑に仕えたことがない養子娘の姉には分からなかったのです。

くっ、くっ、くっ(嗚咽の声)…長男の嫁って可哀想!

だから

お正月? 何がめでたい! 地球が太陽の周りを一回まわっただけのこと。

ようやく『長男の嫁』から解放された今、お正月は寝坊してipadでゲーム三昧(スパイダーソリティアかHome scapes)と思っていたけど、注文していた本が届きました。

佐藤愛子の『90歳。何がめでたい』

読書の正月にします。

良いお年をお迎えくださいませ。